理系大学生なら身につけたい専門書を読むときの3つのポイント

専門書 勉強法

理系の大学生になると専門書を読まなければならないことって多いですよね。
授業で使う教科書も専門書になっていて、内容も高校までと比べて難しくなってますよね。
専門書を読まなければならないのに、

「専門書読んでても全然わかんない・・・」
「専門書ってどうやってそもそも読んだらいいの?」

とあなたは悩んでいませんか?

そんな専門書の読み方が分からないあなたに
現役理学部物理学科の僕が専門書の読み方をお教えします!

僕がこれから教えることを意識するだけで、あなたは専門書をガンガン読めるようになります!

専門書を読むときのポイントは

  • 『はじめに(序文)』をよく読む
  • ノートをとりながら読む
  • 初めから完璧を目指さない

この3つです。
この3つについてこの記事では詳しく解説していきます!

専門書は高校までの教科書とは違う

まず最初に理解してもらいたいのは

専門書は高校までの教科書とは違う

ということです。

高校までの教科書は今までの人類の英知が詰まっています。
もうすでに解明されていることを、誰もが理解できるように書いているものです。
つまり、非常に丁寧に書かれています

なので、誰でも読むだけで理解できます。
例えば、数学の教科書でも読んでいくだけで、式変形を追うことが可能です。

しかし、専門書はそうではありません

丁寧に書かれているものもあれば、非常に難解なものもあります
特に最先端の分野の専門書でこの傾向は顕著です。

  • 体系だった分野としてまとまっていない
  • どういう順番で学習すれば分かりやすいか確立できていない

といったことが多いからです。

その結果、著者の趣味が大きく反映され、分かりにくい本が出来上がったりします。

また、読んでいるだけでは式変形を追うことができないものも非常に多いです
非常に難解な変形でも省略されることが多いからです。

このせいで、行の間の式変形、行間と呼ばれるものが生まれます。
これも専門書を分かりにくくする原因の一つです。

なぜなら、高校までの教科書にはないこの行間に詰まってしまうからです。

僕もよくこの行間に悩まされています(笑)
数日単位で悩まされることも多々あります。

さらには、専門書に書かれていることが必ずしも正しいわけではありません
間違っていることも多々あります。

もちろん著者はわざと間違っているわけではありません。

例えば、

  • 添え字が抜けている
  • 計算が全然違う

などがあります。

この間違いを探すのも専門書を読むときの注意点になります。

まとめると、専門書を読む際には

  • 必ずしも丁寧に書かれているわけではない
  • 式変形は読んでるだけでは追うことはできない
  • 内容が間違っていることもあるので、内容を鵜呑みにしない

といったことに注意して読んでいかなければなりません。

専門書を読むときのポイント3つ

実際に専門書を読むときのポイントを3つ解説します。

  • 『はじめに(序文)』をよく読む
  • ノートをとりながら読む
  • 初めから完璧を目指さない

この3つのポイントを順番に解説していきます。

『はじめに(序文)』をよく読む

1つ目のポイントは

『はじめに(序文)』をよく読む

です。

本の最初に書いてある序文を読み飛ばす人が結構多いのですが、それは間違いです。
専門書を読むときは必ず序文をしっかり読みましょう。

序文に書かれていることは

  • 前提とする知識
  • 本の方針(哲学)

の2つが大きく書かれています。

序文を読んでいけば、本の難易度、方針がよくわかります。

本を読むために必要な前提知識は序文を読むことで分かります。
僕が読む物理の専門書には

数学的な知識は学部初年度で学習する線形代数と解析学を前提とする

などと書かれていることが多いです。

学部の初年度に学習する線形代数と解析学の知識がなければ、この本を読むことはできませんよ

と伝えているのです。

中には、大学院生が読むことを前提としている本もあります。
そんな本を大学1年生で読もうとするのは大変だと序文を読めばわかりますよね。

本の方針を理解することも大事です。
同じ分野の本であっても著者によって説明の方針や重視するポイントが大きく違います

ある著者の本ではあまり書かれていなかったことが、ほかの著者の本では詳しく書かれていることは多いです。

自分が知りたいことが詳しく書かれているかの確認が、序文を読むことでできます。

また、どの程度丁寧に書かれているのかも、この序文を読むことでだいたい分かります。
自分が欲している丁寧さで説明されているかを確認することができます。

本の方針が分かれば、著者の意図も分かります。
著者の意図は読者に理解してもらいたいこと、と言ってもいいです。

その著者の意図を理解することで、本を通して理解できることが明確になり、学習効率が変わります。

ただ漠然と本を読むのではなく、メリハリをつけて読むことができます
メリハリをつけて読むことで、自分の学びを整理しやすくなるのです。

ノートをとりながら読む

専門書を分かりにくくしている原因の一つが行間でした。

行間があるから専門書が分かりにくい。
そして、行間は読んでいるだけではわかりません。

それなら対処法は実にシンプルです。

ノートをとりながら読む

これで、行間の問題は解決します。

つまり、行間の計算部分をノートに書いていけばいいのです。

読んでいるだけでは、行間の計算を頭の中だけでやっていることになります。
ですが、専門書の行間の計算は複雑なので、とてもじゃないですが計算できません。
そこで、ノートに計算を書いていき、目で見て分かるようにし、行間を埋められるようにしていきます。

行間の計算だけをノートに書いていってもいいですが、より学習の効果を上げるノートのとり方があります。
それは

まとめノートを作りながら読むこと

です。

まとめノートの詳しい作り方は「まとめノートは無駄じゃない!有効な使い方と作り方教えます」を読んで理解して欲しいのですが、特に重要なのは、教科書を見ずにノートを作ることです。

本の内容をじっくり読んで理解して、本を閉じてノートを書いていきます。
本の内容を1字1句覚えるのではなく、流れを理解して覚えます。

どういう仮定を置いて、どういう方向で議論をしていくか

これを覚えて自分で再現します。
再現している途中で行間の部分が出てきます。
そこで行間を埋めるようにしてしまえばいいのです。

簡単に言っていますが、これは結構難しいです。

例として、僕の電磁気学の専門書を読んでいる時のノートを紹介します。

ノート、電磁気学

電磁気学のまとめノート

電磁気学の専門書を読み込んで、本を見ずに書いたノートです。

ガウスの法則のあたりの部分ですね。
ガウスの法則の導出の流れを覚えて書いています。
必要な図も適宜追加して書いて、思考を整理しています。
本を見ずに書いて、アウトプットしているだけなので、赤線やマーカーなどは一切使っていません。

これを書くのは結構大変です。
ぶっちゃけ時間もかかります。

1冊の本全体で数か月、年単位でかかる時もあるぐらいです。

ですが、効果は絶大です。
そうやってまとめていったことは忘れませんし、研究でも自分の武器として使うことができます。

最初から一回で本を見返すことなくまとめることはできません。

そういう時にはちょくちょく本を見ても大丈夫です。

僕も本をチラ見して、確認しながら進めていることも多いです。
大事なことは、自分のノートの上に、自分の言葉で再現しようとすることです。

脳に負荷がかかり、定着し、使いこなせるようになっていきます。

初めから完璧を目指さない

最後に大事なことは

初めから完璧を目指さないこと

です。

初めから専門書を完璧に理解しつくすことはまず不可能です。

何度も読み返しながら理解を深めていく

このぐらいの気持ちで読んでいけば大丈夫です。

先ほども言いましたが、専門書は必ずしも丁寧に書かれているわけではありません。
難解な内容も多いです。

書かれている内容が理解できない、納得できないこともあります。
そんな時には

一回受け入れて先に進んでみる

こうすることで、疑問が解消されることもあります。

他の本を読んでから戻ってくると、
「そうだったのか!」
と納得できることもあります。

1回読むだけで理解することを目標とするのではなく、何度も読み返して理解することを目標にしましょう。

僕も一回読んだだけでは理解できないことがほとんどです。
自分の中に分かってない感じが残るんですよね。

でも、繰り返し本を読んでいくと、分かってない感じがどんどん減っていきます。

眺めていた状態から読んでいる状態になり、最終的には分かっている状態になっていく。
この流れを意識しています。

繰り返しますが、何度も読んで理解することを目標に読んでいきましょう!

まとめ

まず専門書を読むときに注意しなければならないのは、

専門書と教科書は違うこと

それを理解した上で、読むときのポイントは

  • 『はじめに(序文)』をよく読む
  • ノートをとりながら読む
  • 初めから完璧を目指さない

この3つのポイントを意識して読めばあなたも専門書を読むことができます!
質問などがあれば、コメント、ライン@に送ってください!

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