こんな風に思ってはいませんか?
物理の勉強では数式に大量の文字が出てきますよね。
「物理は難しい?難しく感じる理由と苦手意識のなくし方」でも説明していますが、文字が多いと物理の数式を難しく感じてしまいます。
つまり、文字が多い数式を見ると、
こうなっちゃうんです。
それを防ぐためには、数式に出てくる文字が一体何を表しているのか、を確認することが必要です。
文字の意味を確認するために重要なのが『単位の確認』になります。
そこで、今回の記事では現役国公立物理学科の僕ちゃそが、
単位を調べて文字の意味を知る方法をあなたに伝授します!
地道に根気よく単位を調べることで、あなたは物理に出てくる文字とお友達になれますよ!
僕は実際に単位を地道に調べ、文字が何を表しているのかを知ることで、偏差値を10以上上げました!
大学に入ってからも使えるので、ぜひ身に着けてください!
文字の意味とは物理量
物理に出てくる文字で意味がない文字など存在しません。
なぜなら、「物理は難しい?難しく感じる理由と苦手意識のなくし方」や「物理の成績が上がらない時に行う2つの対処法」でも説明していますが、物理の数式は自然現象を表しているからです。
つまり、数式の意味を考えれば自然現象が分かる必要があります。
ということは、数式中に意味のない文字などあるはずがないですよね。
意味がない文字が入っている数式では自然現象はわかりませんからね。
そして、文字は基本的にエネルギーや質量などの物理量を表しています。
なので、「文字の意味=対応している物理量」になります。
どの物理量に対応しているかは単位を調べることで分かります。
具体的には、
- \(m\)の単位は[\(kg\)]なので質量に対応
- \(a\)の単位は[\(m/s^2\)]なので加速度に対応
- \(F\)の単には[\(N\)]なので力に対応
といった感じになります。
文字の単位がすべてを語っている
2つの文字の積の意味も単位を見ればすべて分かります。
物理の数式では文字が単体で出てくることは非常にまれです。
基本的に2つ以上の文字の積の形で出てきます。
なので、2つ以上の文字の積の意味を理解することは、物理の勉強をする上で避けることはできません。
そして、2つ以上の文字の意味を知るために重要なのは、単位を調べることです。
単位を調べることで、どんな物理量に対応しているのかを調べることができます。
もちろん、1つの文字に対して使うこともできますよ。
具体的に単位を調べるステップとしては、
- それぞれの文字の単位を調べる
- 単位のかけ算、わり算を計算する
- 単位の計算結果から物理量を考える
この3つのステップになります。
これから各ステップでどうすればいいのかを、次の波の式
$$v=f\lambda$$
を例に説明していきます。
ステップ1:それぞれの文字の単位を調べる
文字の積の単位を調べるのが目的ですが、それぞれの文字の単位が分かっていなければ話になりません。
なので、ステップ1として、それぞれの文字の単位を調べましょう。
今考えている波の式
$$v=f\lambda$$
の右辺に注目してみます。
\(f\lambda\)という\(f\)と\(\lambda\)の2つの積がありますよね。
なので、\(f\)と\(\lambda\)のそれぞれの単位を調べます。
まず、\(f\)ですが、これは振動数に対応しています。
振動数とは1秒間に波が何個生まれるかを表しています。
図にすると次の図1のようになります。
1秒間に波が生まれる個数が振動数\(f\)なので、その単位は[\(/s\)]になります。
\(s\)は秒(second)の\(s\)です。
より細かく書けば単位の分子に個が必要ですが、物理学では省略します。
同じように\(\lambda\)の単位を調べていきます。
\(\lambda\)は波長に対応しています。
波長は波の山1つ谷1つの距離のことです。
図2を見てもらうと分かりやすいと思います。
山1つ谷1つの距離が波長になるので、波長\(\lambda\)なので、その単位は[\(m\)]になります。
ここで\(m\)はメートルを意味しています。
これで波の式
$$v=f\lambda$$
の右辺の文字それぞれの単位が分かりました。
- 振動数\(f\)の単位:[\(/s\)]
- 波長\(\lambda\)の単位:[\(m\)]
ステップ2:単位のかけ算、わり算を計算する
各文字の単位が分かったら今度は単位の計算をしましょう。
単位の足し算と引き算は計算することはできませんが、かけ算とわり算の計算はできます。
\(1個+3人\)は計算できませんが、\(5秒×秒速5cm\)は計算できますよね。
これと同じです。
ステップ1で調べた単位のかけ算とわり算の計算をしていきます。
波の基本式
$$v=f\lambda$$
の右辺に文字のかけ算がありますね。
ここの部分で単位のかけ算をします。
- 振動数\(f\)の単位:[\(/s\)]
- 波長\(\lambda\)の単位:[\(m\)]
だったので、計算としては次の式になります。
$$(/s)×m=m/s$$
つまり、\(f\lambda\)の単位は[\(m/s\)]になることが分かります。
ステップ3:単位の計算結果から物理量を考える
単位の計算ができたら、計算結果がどんな物理量に対応しているか考えます。
基本的には単位の計算結果も何かの単位になっているはずです。
なので、計算結果から対応する物理量を考えることで、文字の意味、数式の意味が分かります。
では、先ほどの計算結果\((/s)×m=m/s\)に対応する物理量を考えていきましょう。
\(m/s\)は距離を時間で割っている形をしていますよね。
ということは、単位時間あたりに進む距離を表していることになりますよね。
つまり、速度に対応しています。
なので、波の基本式
$$v=f\lambda$$
の右辺は速度に対応していることが分かります。
左辺の\(v\)は速度に対応していますから、その単位は[\(m/s\)]です。
数式的にも右辺と左辺の単位がそろっているので、問題ありませんね。
これで、波の基本式に出てくる文字とお友達になれました。
また、式の物理的な解釈もできるようになります。
図で考えると図3のようになります。
図から「波長\(\lambda\)の波が\(f\)個あるので、1秒間に\(v\)だけ進む」と解釈できます。
また、「距離\(v\)の間に波長\(\lambda\)の波が\(f\)個入っている」とも解釈できます。
このように、文字の単位を調べていくことで数式の意味を理解することもできます。
まとめ
今回の記事のポイントは次の通りです。
- 文字の意味は物理量
- 単位を見れば物理量が分かる
- 文字の積では単位を計算して物理量を考える
これに注意して物理を勉強していけば、文字とお友達になり、数式の意味も分かってきますよ!
ただ、根気強く続けていかないと成果はでないので、それは忘れないようにしてくださいね!
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